Food pantry2015.05.14
ホスト・ファーザー&マザーが毎週ボランティアをしているFood Pantryという貧窮者のために食料を貯蔵し、配給する活動のお手伝いをしました。
困窮者にダイレクトに、あるいは困窮者に食糧援助を行うNPO団体に食糧を配給する民間の組織、Food Bank(食糧銀行)が全米にありますが、Cape Cod Food Pantryは、Boston Food Bankからの配給と、地域のスーパーや個人からの寄贈を受けています。食糧に加え、子供から大人までの古着も別の部屋で提供されていて、大人も子供も規定のビニール袋に入るだけもらって帰ることができます。
生活保護を受けているような困窮者や、一家の大黒柱が病気なって収入が途絶えた、あるいは配偶者が病気になって看病をしなければならず働けないといった人や、留学生などもいて、申請して承認されれば、家族の人数に合わせて、玉子、パン、肉、ドレッシング、パンケーキ・ミックス、果物の缶詰など様々な食糧をもらえます。2時間の作業の中で、やってくる人を観察していると、アメリカ社会の縮図を見たような気がしました。
ボランティアとして活動している人たちは、みんなリタイヤしたシニア層の人たち。みんな元気で、隠居生活の中でも社会に貢献する役割を果たしているんだと、日本でボランティア活動をしたことのない自分が少し恥ずかしくなるほどでした。
「日本でもこのような食糧の無償配給はあるの?」と何人かから尋ねられましたが、アメリカのsoup kitchen(貧困者のための無料食堂、食糧供給施設)に近い『炊き出し』は大阪だと西成の釜ヶ崎などホームレスや失業者が多い場所で、キリスト教団体やNPOなどがやっているケースがあるものの、社会をあげて、貧窮者をサポートするというのはないと説明すると、「日本は家族が近くに住んで、助け合うので、地域や社会がやらなくてもいいのね」と何人かが言いましたが、「そのような家族の絆も最近は薄くなってきている傾向があるし、家族のサポートを受けずに生活保護を受給している人は多い」と答えました。
アメリカ人のボランティア活動にたとえ2時間でも参加することによって、アメリカ人の日本人に対する認識や、リタイヤしても社会に貢献するというアメリカ人のメンタリティーに触れることができ、貴重な体験となりました。