次期学習指導要領改定案における英語の変更内容
2017.02.162月14日に文部科学省が公表した、小中学校の学習指導要領改定案の中の、英語に関する変更内容をまとめてみました。
小学校:
- 小5、6年の英語は教科書を使い「読む・書く」も加えた正式教科とする(→成績を評価する)
- 小5、6は英語の標準授業数が、週2コマ、年70コマに倍増(←現行:週1コマ)
- 「聞く・話す」中心の外国語活動の小3から開始 (←現行:外国語活動は5、6年で実施)
- 小3、4年の外国語活動は、年35コマ(←現行:なし)
- 年間の総授業時間(1コマ45分)は3~6年で各35時間増える
- 英語に慣れ親しむため、英語と日本語の音声の違いに気付くことなどを通じてコミュニケーション能力の基礎を身につける
- 小学校段階で600~700語程度の単語の意味が理解できるように指導
- 文法は5年から学ぶ
- 聞く、読む、話す、書くという、4技能を通し、英語でコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成
- 第3・4学年の「外国語活動」の時間で身に付けた600~700語をもとに、第5・6学年ではSV、SVC、SVOといった文構造の学習や、日常生活に関する身近な事柄について、英語でコミュニケーションできるように。
中学校:
- 英語で授業を行うことを基本とする
- 生徒が英語に触れる機会を増やす
- 互いの気持ちや考えを英語で伝え合う対話的な活動を重視
- 扱う単語数は現行の1200語程度から1600~1800語程度に増やす
- 年間の総授業時間(1コマ50分)は変わらない
その他:
- 18年度からの移行期間中は、各小中学校の判断で次期指導要領に基づく教育課程の先行実施を可能にする方針
- 現行指導要領に基づく授業を行う学校も、主に英語については文科省が次期指導要領の中から前倒しして取り入れるべき内容を定め、17年度の早期に告示する見通し
- 文科省は18年度中までに、全小学校教員を対象に英語教育研修を実施予定
授業時間捻出の取り組み:
- 学年の時間割はほぼ埋まっており、時間を捻出するのが難しい中、新指導要領が定める授業時間(週2コマ、90分)を先取りするため、週1回の45分授業と3回の15分の短時間学習を導入している小学校がある(群馬県沼田市の市立沼田東小と沼田北小や、東京都品川区立芳水小学校)
- これらの小学校では、45分授業は区採用の英語専科教員または外国語指導助手(ALT)が担い、短時間学習は担任が指導
- 短時間授業の利点:生徒の集中力が持続可能/ほぼ毎日英語に触れることができる/45分授業の復習ができ、知識が定着
- また、週5日9分ずつ英語を学ぶ京都府の学校や、1コマの半分にあたる23分間の英語の授業を週1回試験的に行う秋田県の学校など様々な取り組みが行われている。